予防歯科と その重要性について
予防歯科とは、口腔内に発生する病気を症状が出てから治療するのではなく、未然に防ぐことを目的とした歯科医療分野です。
2024年の歯科疾患実態調査において、歯を失う二大原因は歯周病とむし歯で、特に歯周病が歯を失う原因の第1位という調査結果が報告されました。
近年、歯周病は口腔だけではなく、全身の健康にさまざまな影響を与えることがわかってきました。歯周病菌やその炎症性物質が血液を通して全身に広がり、糖尿病や心臓血管系、さらに最近では認知症などの全身疾患のリスクを高めたり、悪化させたりすることが明らかになっています。
また、口腔内の軟組織には悪性腫瘍(がん)や全身疾患の初発症状として異変が現れることもしばしばあり、早期に見つけることが重要とされています。
みなさまそれぞれの口腔にあった 健康を維持していくことを目標に
当院の定期的ケアでは、口腔内外チェック(口腔がんスクリーニング) を含めたリスクチェックをおこないながら、みなさまそれぞれの口腔にあった健康を維持していくことを目標としてケアを提供しています。
予防歯科で行う主なケア
歯(むし歯)や歯の周りの歯ぐき(歯周病)のチェックをおこない、必要に応じたケアを提案します。
口腔内と口腔外の軟組織のチェックも年に1−2回おこないます。
すべての結果は、歯科医師および患者さまにお伝えし、必要に応じて専門医へ紹介します。
熟練した歯科衛生士が専用の器具を使用して、歯磨きだけでは届かない場所にある歯石や沈着物を除去します。定期的に行うことで、むし歯や歯周病のリスクを軽減できます。
フッ化物により、歯質を強化しむし歯になりにくくすることが期待されています。特に、生えはじめて2−3年の歯や、高齢者に多い露出している歯根はむし歯になりやすいと言われており、定期的なフッ化物塗布が有効です。
奥歯の噛み合わせ部分にシーラントを施し、食べかすや細菌が入り込むのを防ぎます。特に、むし歯リスクの高いお子さまに有効です。
歯ぐきの状態をチェックし、歯石除去などの歯周病の進行を防ぐためのケアをおこないます。
正しいセルフケアの
アドバイス
予防歯科を効果的にするためには、日常のセルフケアも重要です。来院されたお一人おひとりにあったセルフケアの方法を見つけていきます。
予防歯科のメリット

予防歯科は、年齢を問わず始めることができます。
お子さまはもちろん、大人の方も予防を意識することで、将来的な歯の健康を守ることが可能です。
予防歯科を実践することで、以下のようなメリットがあります。
むし歯や歯周病を防げる
治療の必要がなくなり、歯を削らずに済む
治療費の負担を軽減できる
歯の寿命を延ばし、将来的な入れ歯やインプラントのリスクを減らせる
口臭を防ぎ、清潔な口腔環境を維持できる
まとめ
予防歯科は、むし歯や歯周病を防ぎ健康な歯を維持するだけにとどまらず、今や全身の健康維持にもつながる大切な取り組みと言われるようになりました。日々のセルフケアと歯科医院での定期検診を組み合わせることで、お口や全身の健康を長く守ることができます。
当院では経験豊かで熟練したスタッフが、一人ひとりに合った予防プログラムをご提案し、最適なケアを提供しています。お口の健康を維持したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

